水中ライトについて

水中ライトを持ってダイビングするのと、無しでダイビングをするのとではダイビングの楽しさは数倍も違ってきます。オープンウォーターダイバー講習で使用するテキストにも書いていますが、水中には赤い光があまり届かず、深く行けば行くほど赤い光は届かなくなります。でも、青い光は深くまで届きます。

ダイビング中、肉眼で見ている世界は陸上とは違って赤い光が届いていない世界を見ています。だから赤くてきれいな色をしている生物なども、肉眼では赤く見えずに茶色っぽかったりします。しかし、この茶色く見える生物に水中ライトを当ててあげると綺麗な赤い色に見えます。

水中写真でみる鮮やかなサンゴは、実は光を当てているからあんなに色鮮やかに見えるのです。

写真はストロボの光を当てることで色を出していますが、同じように水中ライトで光を当てることで肉眼でも色鮮やかに見ることができます。伊豆にはソフトコーラルと言うサンゴの仲間がたくさんいます。それらはライトを当てるととても美しい色をしているのがわかります。

また、岩陰など光が当たらない場所は特に色が出ず、肉眼で見ても興味をひくようには見えませんが、そこにライトを当てるだけで違う世界になってしまいます。そして岩陰にはイセエビや小さいエビの仲間やカニの仲間、夜行性の魚などが潜んていて、肉眼で見ても全く見えないものがライトをあてることで見えるようになります。

オトヒメエビ
オトヒメエビ
ハナタツ
ハナタツ

水中ライトを使うと肉眼だけでダイビングするよりずっと美しい世界を覗き見ることができるのです。

それだけでは有りません。安全上も実はとても優れたアイテムです。例えば透明度の悪い時には、自分の居場所を知らせるのにもとても役に立ちます。透明度が悪くて周りの人が見えなくなってしまったように思った時も、その場にじっとして周囲に向かってライトを振ると、ライトの光は遠くまで届きますので周囲に人に見つけてもらいやすくなります。また、最近の水中ライトはフラッシュ機能が付いてます。ボタンを押すとチカチカと1秒間に2回以上の間隔で点滅するので、これもいざというときに役に立つかも知れません。

水中ライトというと、ナイトダイビングでは皆さん必須のアイテムなので、ナイトダイビングでは使ったことが有るかと思いますが、実は昼間でも断然持っていた方が良いアイテムですし、安全管理上も必要なアイテムなのです。

さて、ここまででライトの必要性はご理解いただけたかと思います。

ところで、実際に水中でライトを使うときには注意して欲しいことがあります。それは、「無暗に魚を照らさない」ということです。ライトで照らすのも楽しいことなので、ついつい魚にライトを当ててしまいます。ですが、それに驚いて魚が逃げてしまう事があります。逃げるか逃げないかは魚の種類だったり、同じ種類でも個体によって人に慣れていたり慣れていなかったりなどありますが、どの魚が逃げてどの魚が逃げないかまでは一般ダイバーの方ではわからないと思いますので、不必要に照らさないようにしましょう。

また、移動中なども基本的には消しておくようにしましょう。ただし、極端に透明度の悪い状況なら弱めの考量でつけっぱなしにしておくのも、安全面ではよい場合があります。

お勧めの水中ライトについては目的やその時々で変わりますが、機会が有りましたらこちらで紹介したいと思います。